Araheam

CATEGORIE

Project

DATE

Apr 28, 2026

Araheam

前原兄弟と出会ったのは、まだONE KILNとして動き出す直前のことだった。 ニューヨーク帰りの良一郎と、中国語も話せるグラフィックデザイナーの宅二郎。 天文館で展示をしていると、ふたりでふらっと見に来てくれたのを覚えている。 そのとき、地元の鹿屋に店をつくるという話を聞いた。

それからかたちを変えながら、今のAraheamは、壮大な畑の風景の中にある。 いくつもの温室と、元工場をリノベーションした建物。 タイミングが良ければ、ヘッドホンをつけて、音に乗りながら水やりをしている三男・剛三郎の姿を見ることもある。 父が営んできた植物の卸業を引き継ぎながら、三兄弟とスタッフで、今もかたちを変え続けている。

美味しいチーズケーキとコーヒー、ナチュラルワイン。クラフトの仲間たちの作品。 衣食住のさまざまなものが並び、そのどれにも、彼ららしい感覚がにじんでいる。 植物に囲まれた空間で、音も心地よい。気づけば、時間が過ぎている。

最近、ONE KILNでは「Reproduction」という取り組みを続けている。 制作の過程で生まれた、使われることのなかった器に、もう一度役割を与える試み。

植木鉢にするには、底に穴が必要になる。 焼き締まった器に穴を開けるのは簡単ではないが、水を使い、摩擦を抑えながら少しずつ削っていく。 手間はかかる。 それでも、このひと手間で、もう一度使われるのであれば、その時間は無駄ではないと思える。

穴を開けた器に、Araheamのメンバーが植物を植えてくれた。 欠けやひびがあっても、鉢としては十分に機能する。 むしろ、その不完全さが、植物とよく馴染んでいた。

植物は、変わり続ける。 時間とともに形が変わり、思い通りにはいかない。 それでも、その変化に合わせて手を加えながら育てていく。

完成されたものを使うのではなく、未完成のものに関わり続けること。 器も、植物も、そして人との関係も、同じなのかもしれない。

REPRODUCTION by ONE KILN 2026.4.18 SAT – 4.26 SUN at Araheam

※ご好評につき、会期を延長し、5.06 WEDまで開催中です。

Araheam 植物と雑貨のショップ、ギャラリー、カフェが一体となった複合施設。 前原良一郎、宅二郎、剛三郎の〝前原三兄弟〞が営む。 グリーンを中心に、アパレルや食器、日用品、食材まで。 衣・食・住すべての領域を横断しながら、ひとつの風景として提案している。 店名は「Maehara」を逆さに読んだもの。

▷鹿児島県鹿屋市東原町2848-3 ☎0994-45-5564 12:00–18:00(火休)

東京・千駄ヶ谷に支店『アラヘアミー』 がある。